逆打ち工法(さかうちこうほう)
地下階(躯体・くたい)の構築工法
2種類に大別される方法のうちの1つで、超高層建物を造る場合によく使われる
一般的な順打ちとは反対に、建築物の地下躯体を上から下に向って造る。通常とは逆の手順で躯体を造っていくので、「逆(さか)打ち」と呼ばれる。 地盤面から下にある各階の床を、山留壁を押さえる支保工として構築しながら、1層ずつ掘り下げていく。作業ができる1階の床をまず造るので、地下階を造りながら、地上階を同時に造ることができ、工期が短縮できるなどのメリットがある。

①まわりの土が崩れないように山留め壁を地中に埋め込む。

②最初につくる各階の床を支える「逆打支柱(または構真柱)」と呼ばれる鉄骨柱を地中に埋込む。

③地盤を少しだけ掘削し、逆打支柱を掘り出して、その柱を支えに1階床を構築。

④構築した床を、山留め壁を支える支保工としても利用し、ワンフロアー分掘り下げては床を構築、手順を下に向かって繰り返す。

⑤1階床上から地上の鉄骨柱を継足し、地下工事と並行して、地上躯体工事も上に向かって進める。
逆打ち支柱(さかうち支柱)、
構真柱(こうしんちゅう)
逆打ち工法で上から順に作る床を支える柱のことで、構真柱とも呼ばれる
床は、構造的に柱、梁に支えられて成立しているため、床の構築には柱が必要で、あらかじめ地盤面から地中に埋込んでおく。柱を支える場所打ち杭を構築する際に、その場所打ち杭のコンクリート中に、鉄骨の柱を建て込む方法をとる。この逆打ち支柱を掘出して、梁、床を構築する。
※出典:株式会社大林組様 「東京スカイツリー建設プロジェクト つくり方大公開! 技術用語集」より
地下空間を効率的に
創造する先進技術
普通「地下5階、地上60階建てのビルを建ててください」と言われたら、まず地下5階建て分の穴を掘って、そこから上に建てていきますよね?でもこれだと穴が深すぎて土の壁が崩れる危険性があります。そこで考え出されたのが逆打ち工法です。打ち工法は、高層ビルや大規模建築物の建設において、地下階の施工を効率的に進めるための革新的な工法です。この手法は、地上部分と地下部分の工事を並行して行うことで、工期短縮とコスト削減を可能にします。また、周辺環境への影響を最小限に抑えることができるため、都市部での建設プロジェクトに最適な選択肢です。近年では“虎ノ門ヒルズ”など、超高層ビルでは逆打ち工法が主流になっています。
逆打ち工法のメリット | 工期の大幅短縮: 地上と地下の工事を同時に進めることで、全体の工期を短縮します。 周辺環境への配慮: 都市部での建設工事において、近隣への影響を最小限に抑えることが可能です。掘削による騒音や振動が軽減されます。 安全性の向上: 一気に土を掘らないので軟弱地盤でも安全です。地下躯体が支保工になるから仮設構造を最小限にすることで、作業中の安全性を確保します。 |
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当社の実績と技術
株式会社 兵藤工務店は、型枠工事において逆打ち工法の型枠施工技術を有し、多くの大型プロジェクトに携わってきました。
これからも技術の研鑽を積み、高品質な施工で社会に貢献してまいります。
【施工実績例】


